戸襖の張替えについて|襖紙とクロスの張り方・選び方
2024/01/29
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1.戸襖とは
戸襖(とぶすま)とは部屋を仕切る扉の一種です。
和室と洋室(リビング)や廊下を仕切る時に使います。
引違い戸が多いですが、開き戸の場合もあります(主に和室の入り口)。
表面は和室側には襖紙、洋室側は化粧合板やビニルクロス張りが一般的です。
ベニア板を下地としてその上に仕上げ材を張るので重量が重くなります。
特に防衛局の防音工事で使われている戸襖は防音効果を高めるために重く
なっています。
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2.本襖と戸襖との違い
本襖は和室同士や押入の目隠しに使われるのが一般的です。格子状の組子を
下地とし和紙を下張りした上に襖紙を張ります。
組子と襖紙で構成されているため、戸襖に比べると軽量です。また、通気性も
ありますので押入れ内の湿気を逃がす効果もあります。
本襖の縁は外せますが、戸襖の縁は接着されているので外すことは出来ません。
2-1. 戸襖と本襖の見分け方
稀ですが、押入襖の裏側を見るとベニヤが全面に露出しているものがあります、
これは戸襖です。本襖は両手で襖の表面と裏面を撫でてみると、10㎝~20㎝間隔
で硬い部分(組子)が感じられます。戸襖は四方枠が襖表面のみに付いています。
また、ベニヤ板の代わりに圧縮した段ボールや発泡スチロールで作成した襖が
あります。軽量化とコストダウンを目的としたもので張替えは想定していません。
既存の上に重ねて張ることになります。1~2回が限界です。
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3.戸襖の張替え時のポイント
張られている襖紙は剥がします。特に枠から内側1~2cmは接着部分になります
ので、しっかりと剥がすことが重要です。
中央部分は下張紙をはります。これは下地のベニヤ板からの灰汁(あく)止めに
なります。
洋室側にビニルクロスが張られている場合には表面のビニル層はきれいに剥がします。
化粧合板の張替えは出来ませんので、傷んだ部分は部分補修になります。
3-1. 張替え作業時の部屋と畳の状態確認
襖の前に大型の家具がある場合は取外しに支障が起こります、襖から10cmくらい
は離しておく必要があります。床(畳)の上に敷物を敷いている場合も少しめくり
上げる必要があります。
開口部の鴨居(上部)の中央部が下がっている場合があります。開口部の左右の端
は障害物が無いか移動可能であることが望ましいです。
鴨居が下がっていてどうしても外れない場合はジャッキを使って鴨居を上げて
外します。
3-2. 動きが悪くなった襖の対応
まずは敷居に敷居すべりを貼ります。劣化した敷居すべりをそのままに使って
いると襖に引っかかり動きが悪くなります。また、襖の下枠の左右隅に戸すべり
シートを貼ることも効果があります。鴨居が下がってしまっている場合には襖の
上枠を削ることもあります、1~2mm程度削ることでかなりの改善になります、
重い戸襖の場合、戸車が破損している場合がありますので、戸車のチェックも必要
です。
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4.戸襖の張替え時の注意点
戸襖の張替えで最も注意が必要なことは下地のベニヤ板の状態です。
何度も張替えを経験したり、経年劣化ではがれていたり浮いている箇所は
接着剤などで補修します。
劣化部分が大きい、箇所が多い場合は新しい戸襖への交換をご検討ください。
4-1, 戸襖下地の補修方法とクロス・和紙の選び方
小さな穴や剥がれた部分には補修用の和紙を貼ります。戸襖枠から内側の約10mm
は襖紙の接着面になりますので「浮き」が無いようにしっかりと補修することが
重要です。
リビングや洋室面にクロスを張る場合には、壁のクロスに近いものを選択する事
が一般的ですが、あえて違ったテクスチャーのものや柄物を張ることによって
お部屋のアクセントをつけることも提案します。クロスは襖紙に比べて多くの柄
や色がありますので「お気に入りの一品」をお選びください。
和紙で選択する場合には「糸入無地」か「汚れ防止」タイプの襖紙がお勧めです。
- 5.まとめ
戸襖は重量が重いため、敷居・鴨居から外した後に壁や照明器具などに接触すると
破損することがありますので、周りの環境に十分注意してください。
戸襖の縁は接着されていますので、無理に外そうとしないでください。
また、張った襖紙は縁の際(きわ)でカットすることになりますので、よく切れる
カッターでの施工が重要です。
より綺麗な仕上がりをお求めの際には専門職にご依頼されることをお勧めします。
*写真提供:リリカラ株式会社
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